ママねこ日記 in スイス

1男3女の4人の子供達と夫婦でスイス、チューリッヒに移住しました。

素敵なピンポンダッシュ‼️

イースター前の木曜日の午後、ピンポンと玄関のブザーが鳴ったので出てみると、無人の我が家の玄関にキレイなチューリップが❗️

一つ下の階に住むオランダ出身の素敵なマダムからのプレゼントでした。


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最初10本の花びらがギザギザの珍しいオレンジのチューリップをいただき、後から追加でピンクのチューリップを20本。


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なんとも豪華です♥️


政府が推奨するソーシャルディスタンスをきちんと守るために、素敵なピンポンダッシュをしてくれたのでした。


久しぶりに花が飾られた我が家で子供達が口々に「キレイなお花〜」と一気に表情が明るくなります。子供も大人も美しいものには癒され、心が潤うのは同じですね。


子供好きで、いつも遠い日本から来た子沢山の我が家を気にかけてくれる日本人のようなきめ細やかさを持つ彼女らしい素敵なプレゼントでした。


このチューリップは、市場で働く彼女の知人からいただいたものをお裾わけして下さったそうです。市場の花は、色や種類が豊富で日持ちも良く、市場に行くとお花屋さん巡りが一つの楽しみでもありました。コロナウィルスの感染拡大とともに、子供達は在宅での勉強となったため、買い物は夫の仕事の合間に子供達を預けて、一人でなるべく徒歩で行ける近場のスーパーで生活に必要な最低限のものだけを買って過ごしてきたので、市場に足を運んでいたのが遠い昔のような気がします。


世界中を震撼させるコロナウィルスにより、実質ロックダウン中のスイスでは、今、スイス中の花屋さんが閉まり、市場でもスーパーでも店頭で花を買うことが許されていません。


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こんな風にお花屋さんの店の前にはイースターの素敵な飾りがされてありますが、よく見ると下のような張り紙があります。


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「閉店

〔連絡先〕

お客様のご自宅、ご贈答用の配達を承ります」


花屋さんは閉まっていても、中には人の気配があり、配達や注文を受けてなんとかこの正念場を乗り越えようとしているのでしょう。


近所のスーパーでも花が売られなくなる前、「私達はもう花を売ることができないので、お客様一人1つ、切り花か鉢植えの花をご自由にお持ち下さい。」との看板が出ているのを見かけました。

今は、平常時ではないんだなと改めて感じさせられ、切なくなったのを覚えています。


4月9日付、在スイス日本大使館によるスイス及びリヒテンシュタインのコロナウィルス感染者数は、23,574人、亡くなった方は756人。日本の九州ほどの面積しかない小さな国でこの感染者数は恐ろしいですが、一時は1日1300人を超える感染者の増加は、1000人を切るようになってきました。


これを受けて、4月16日には政府の段階的な緩和策も発表されるようです。


春の陽気に誘われて人出も増えてきましたが、まだまだ気を抜かず、感染予防に努めたいと思います。


同時に、自分のことだけに走りがちな今だからこそ、人を気遣う暖かい心遣いも忘れずにいたいものです。手に入らない貴重なお花をプレゼントしてくれた彼女のように。チューリップは私にとって春の訪れを知らせてくれるだけでなく、忘れられない特別な花の一つになった日でした。